健康診断でひっかかったという方へ

健康診断の結果を管理し、
健康を維持しましょう!

  • 定期的に健康診断を受けているが、結果を見ていない方
  • 健康診断で異常を指摘されたが、自覚症状がないため再検査を行っていない方
  • 今までの健康診断の結果を覚えていない方
  • 定期的に健康診断を受けていない方

健康診断これらに該当する方は注意が必要です。
健康診断の結果を放置していたり、そもそも受けていなかったりする場合、がんなどの重篤な疾患が自覚なしに進行していたり、突然脳梗塞や心筋梗塞を発症する危険性があります。
現代の日本において、最大の死因は悪性腫瘍(がん)であり、2番目の死因は心疾患(高血圧を除く)です。両方の疾患とも、早期発見・早期治療することで死亡リスクを大きく軽減することができます。
早期に対策するために重要なのが、毎年定期的に健康診断を受けることです。異常があった際には速やかに医療機関にご相談ください。定期的に健康診断を受けていたとしても、再検査や精密検査を指摘された際に受診している方は少ないと思います。
各検査項目の数値の意味するところがよく分からず、要検査・要注意状態となっても、無症状の場合は受診より日常生活を優先してしまうことも多いと思います。健康診断の目的は、詳細に検査を行うことではなく、疾患を患うリスクがどの程度かを見つけること(スクリーニング)です。そのため、要検査・要注意状態でも、詳しく検査を行うと、現段階では治療は不要となることが多いです。
しかし、高リスクであることを自覚し、しかるべき対応をとることで、重篤な疾患への罹患や日常生活への影響を防げ、将来の時間的・金銭的負担を軽減することも可能です。 健康診断で異常が見つかった場合は早めに受診しましょう。
当院でも健康診断を実施していますので、まだ健康診断を受けていない方はお気軽にご相談ください。

健康診断で指摘されやすい
異常値の項目について

全身の臓器の状態を調べるために、健康診断では様々な検査項目をチェックします。
異常を指摘された項目によっては、どのような問題なのかが分からない場合もあると思います。
当院では、患者様の不安な気持ちに寄り添い、速やかに適切な検査や治療を実施するようにしております。

血糖値、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー):糖尿病

HbA1cや血糖値が高値だと健康診断で分かった場合は、糖尿病予備軍や糖尿病を発症している場合があります。
糖尿病には厳密には様々な種類がありますが、患者様の90%が2型糖尿病に該当し、食生活の乱れや運動不足などの生活習慣の乱れが主な原因です。
糖尿病では、血糖値が常に高い状態であるため、血管に負担がかかります。これにより、動脈硬化、脳出血、脳梗塞、心筋梗塞などの重篤な疾患発症リスクが増加するため、適切な治療を行うことが大切です。
糖尿病は早期に発見することができれば、適切な管理と治療を行うことができ、合併症のリスクを減らすことができます。
定期的な血糖値のモニタリングや健康診断を受けることで、早期の糖尿病の兆候を捉えることができます。
早期発見は重要であり、生活習慣の改善、適切な食事管理、適度な運動、必要に応じた薬物治療などが行われることで、病状の進行を遅らせることができます。

血圧が高い:高血圧

血圧が高い:高血圧一般的に、高血圧とは収縮期血圧(最高血圧)が140 mmHg以上または拡張期血圧(最低血圧)が90 mmHg以上である状態を指します。
血圧は収縮期血圧/拡張期血圧で表され、例えば「120/80 mmHg」のように表記されます。
ただし、高血圧の診断は複数回の測定と経過観察が必要です。 高血圧の状態が続くと、血管内に持続的な負荷がかかり、血管壁にダメージを与えます。
このダメージが続くと、血管壁が厚く硬くなる動脈硬化が進行します。
動脈硬化により血管の柔軟性が低下すると、血液の流れが制限されます。
この状態では、心臓や脳などの重要な臓器に酸素や栄養が十分に供給されず、心筋梗塞や脳卒中などの合併症のリスクが増加します。さらに、動脈硬化により血管が狭くなるため、高血圧がさらに悪化し、悪循環が生じることもあります。
したがって、高血圧の早期発見と適切な治療は、動脈硬化による合併症の予防に重要です。
高血圧治療の目標値は年齢によって異なります。75歳以上の方は家庭血圧で135/85mmHg未満、診察室血圧で140/90mmHg未満、75歳未満の方は家庭血圧で125/75mmHg未満、診察室血圧で130/80mmHg未満です。

コレステロール値:脂質異常症(高脂血症)

健康診断でコレステロール値の異常が指摘されると、通常は高コレステロール状態を指します。
具体的には中性脂肪が150mg/dl以上、HDL(善玉)コレステロールが40mg/dl未満、LDL(悪玉)コレステロールが140mg/dl以上の状態を指します。 高コレステロールは、動脈硬化や心血管疾患のリスクを増加させる可能性があります。
医師の指導の下で、食事改善や適度な運動、喫煙や飲酒の制限などの生活習慣の改善が重要です。
必要に応じて、コレステロールを下げるための薬物療法も行われる場合があります。
定期的なフォローアップと適切な管理は、合併症のリスクを軽減し、心血管の健康をサポートするために重要です。

 

尿酸値(UA):高尿酸血症

健康診断で尿酸値(UA)の異常が指摘されると、通常は高尿酸血症と言われます。
尿酸とは、プリン体が肝臓で代謝されて産生されます。プリン体は、臓器や体を動かすのに必須であり、体内の細胞にある核酸に含まれている成分です。 高尿酸血症は、尿酸が体内で過剰に生産されたり、排泄が不十分な状態です。
この状態が続くと、尿酸結晶が関節に蓄積し、痛風発作を引き起こす可能性があります。
医師の指導の下で、適切な食事制限(特にプリン体を含む食品の摂取制限)、水分摂取の増加、減酒、適度な運動が重要です。場合によっては、尿酸排泄を促す薬物治療も行われることがあります。
定期的なフォローアップとライフスタイルの変更は、尿酸値の正常化と痛風の予防に役立ちます。

クレアチニン(Cr)・尿素窒素(BUN)・推算糸球体ろ過量(eGFR):腎機能低下

健康診断でクレアチニン(Cr)、尿素窒素(BUN)、推算糸球体ろ過量(eGFR)の異常が指摘されると、通常は腎機能の異常を示す可能性があります。 クレアチニンとBUNは、血液中の窒素化合物の代謝産物であり、腎臓の機能によって体内で排泄されます。eGFRは、腎臓の濾過能力を推定する指標です。
異常な結果が見られる場合、腎臓に潜在的な問題がある可能性があります。 この場合、医師の指導に従って追加の検査や治療を行う必要があります。適切な管理と生活習慣の改善、必要に応じた薬物療法は、腎臓の健康を維持するために重要です。
定期的なフォローアップと適切な治療が必要です。

尿タンパク・尿潜血

健康診断で尿タンパクや尿潜血の異常が指摘されると、通常は腎臓や尿路の状態に関する問題を示しています。
尿タンパクは、通常は尿中にほとんど存在しないたんぱく質が検出されることを指し、尿潜血は血液が尿中に混じっていることを示します。これらの異常は、腎臓の炎症、感染、結石、腫瘍、または他の病状の兆候である可能性があります。
まずは精密検査により、原因を特定した上で、適切な治療と生活習慣の改善、必要に応じた薬物療法を行っていくことが重要です。

ビリルビン・AST(GOT)・ALT(GPT)・γGTP・ALP、アルブミン

ビリルビン・AST(GOT)・ALT(GPT)・γGTP・ALP、アルブミン健康診断でビリルビン、AST(GOT)、ALT(GPT)、γGTP、ALP、アルブミンの異常が指摘されると、通常は肝機能や肝臓の状態に関連する問題を示しています。
ビリルビンの異常は、肝臓での胆汁の代謝や排泄に関連する可能性があります。 ASTやALTは肝細胞の酵素であり、異常な上昇は肝臓の炎症や損傷の兆候となることがあります。γGTPやALPは肝胆道系の酵素で、肝臓や胆道の障害を示すことがあります。
アルブミンは肝臓で産生されるたんぱく質であり、異常な低値は肝臓の機能低下を示す可能性があります。
これらの異常は、肝臓の疾患や他の病状のサインとして捉えられ、追加の検査や専門医による診断が必要となります。
「沈黙の臓器」とも呼ばれる肝臓は、疾患にかかっても自覚症状が現れにくい臓器です。そのため、自覚症状が出現する前から健康診断を受けて早期発見することが大切です。
当院では超音波検査や血液検査による精密検査に対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

血色素量・赤血球量・ヘマトクリット:貧血

貧血健康診断で血色素量、赤血球量、ヘマトクリットの異常が指摘されると、通常は貧血の可能性が考えられます。血色素量は血液中の鉄分に結合しているヘモグロビンの量を示し、赤血球量は体内で酸素を運ぶ役割を持つ赤血球の数を示します。
ヘマトクリットは血液中の赤血球の割合を示す指標です。
これらの値で異常がある場合、貧血の原因として、鉄欠乏、ビタミン欠乏、慢性疾患、出血、または骨髄の異常(悪性疾患)などが考えられます。
体内での出血を引き起こす疾患としては、大腸がん・胃がん・胃潰瘍や、子宮筋腫などの婦人科系疾患があります。
いずれも早急な対応が必要なことが多いため、貧血だと分かった場合は原因特定のためにも必ず医療機関を受診しましょう。

アミラーゼ,リパーゼ

健康診断でアミラーゼとリパーゼの異常が指摘されると、通常は膵臓の機能に関連する問題を示しています。
アミラーゼは膵液中に存在し、消化器官での炭水化物の分解を助ける酵素です。
リパーゼは脂肪の分解と吸収に関与する酵素です。これらの酵素の異常上昇は、膵炎や膵臓の疾患の兆候となることがあります。 これらの値で異常が指摘された場合、追加の検査や評価が行われ、原因の特定を行います。
膵臓の疾患は早期発見するのが非常に困難で、病期が進むと致命的となることもあるため、もし異常を指摘された場合には速やかに医療機関にご相談ください。

心電図

健康診断で心電図の異常が指摘されると、心臓のリズムや伝導に問題がある可能性があります。
心電図は心臓の電気的な活動を測定する検査で、異常なパターンが見つかると不整脈や心臓疾患の兆候となることがあります。
心電図検査で異常がある場合、詳しい検査や評価を行い、具体的な原因を特定します。
治療方法には薬物治療や手術があり、必要に応じて心臓のリズムを整えるための処置も行われます。
心電図の異常は重要な情報であり、早期の対応と適切な治療が大切です。
異常を指摘された場合は、お早めに医療機関を受診することをお勧めいたします。

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